主な特長
鉄芯入りMC カートリッジの帯磁について
鉄芯入りMC カートリッジを長く使用していると、
ヨークとマグネットで形成される磁気回路中に置かれている
コイルを巻いた「磁性材の巻枠」が磁化されてしまいます。
MC 昇圧トランスの帯磁について
図3 はMC 昇圧トランスの概略図です。
1 次コイルにはMC カートリッジが接続され、2 次コイルはアンプのMM 入力に接続されます。
MC カートリッジでレコードを再生すると発電電圧:E1 により1 次コイルにI1 の電流が流れコアが
磁化されます。その結果磁束φの流れが出来ます。
この磁束φは2 次コイルにも流れ一次コイルN1 と2 次コイルN2 の比で2 次側に電圧が出ます。
一般的にコア材にはパーマロイが使用されます。
パーマロイは信号を「0」にすれば保磁力が理論的には「0」になりますが、
実際には「0」にはなりません。従ってわずかに帯磁されこれが維持されます。
消磁の原理
MC 昇圧トランスや鉄芯入りMC カートリッジに440Hz のサイン波を図4 の様に
約20 秒間かけて指数関数的に減少させた信号を印加します。
つまり磁界を徐々に小さくしながら「0」に近づけることにより
磁性材のコア及び巻枠を消磁します。
消磁の効果
レコード再生時MC カートリッジをショートすることによりMC カートリッジの消磁ができます。
例えばインピーダンス:4Ωで出力電圧:0.3mV のカートリッジは0.075mA の消磁電流になります。
同様にインピーダンス:40Ωで出力電圧:0.3mV のカートリッジは0.0075mA の消磁電流になります。
デガウザー:DG-100 は約50 倍以上の消磁電流が流れますので消磁効果は倍増いたします。
そしてその効果は、微小レベルでの解像度が上がり、抜けの良い音になります。
尚、MC 昇圧トランスも消磁可能です。